2007年の冬、12月末ごろでした。
うちでは週末になると両親が農場をしている親戚の家へ行って手伝うので、週末はいつも私と弟の二人だけで家を守っていました。
土曜日から日曜日に変わる明け方。翌日が日曜日だったので遅くまでパソコンをしていましたが、昼に予定があったのでそろそろやめて寝ようとパソコンを消し、玄関のドアに鍵をかけたのを確認しました。一軒家だったので、玄関に鍵をかけていないとすぐ外にさらされるため、週末は特に気をつけていました。
時間はだいたい2時を少し過ぎたころ、2時半くらいだったと思います。玄関のドアに鍵をかけたのを確認して部屋に入ろうとしたとき、玄関の明かりがつくのが見えました。
普通は人が近づくと反応するセンサー式の電灯でしたが、最近少し壊れているのか、人が近づいてもあまり点かないことが多かったので、そういうものかと思って部屋に入ろうとしたら、
ガタッ。ガタッ。ガタッ。 ガタッ。ガタッ。ガタッ。 ガタッ。ガタッ。ガタッ。
玄関のドアが今にも開きそうなほどガタガタ揺れていました。鍵のかかったドアを開けようとしているように、玄関の取っ手を引っ張る音がずっと聞こえていました。
以前、泥棒が入られそうになったことがあったので少し怖かったのですが、「どちら様ですか。」と言いました。私の声が外まで聞こえたのか、しばらくガタガタいう音は止まりましたが、すぐまたガタガタし始めました。
強盗かと思って、窓がちゃんと閉まっているか確認し、「通報する前に帰ってください。」と玄関に向かって叫びました。
そのガタガタいう音は、私が誰かと聞いたあとも何度か聞こえたあと、ドアが開かないので諦めたように静かになり、それ以上は聞こえなくなりました。
警察に通報すべきか迷いましたが、音が聞こえなくなっただけで少し安心したので、通報まではしませんでした。隣の家の人が酔って間違えて来たのかもしれない、と思ったのもあったと思います。
それで落ち着いて部屋に横になったのですが、突然あることを思い出して怖くなったんです。
玄関の前の砂利の音が一度も聞こえなかったという事実です。
うちでは昔、泥棒が入られそうになったことがあって、門から玄関まで砂利を敷いていました。そのおかげで、誰かが門から玄関まで来ると、砂利の音で人が来たと分かるようになっていました。
犬や猫が一匹通っても聞こえる砂利の音が、玄関のドアがガタガタ鳴る前にも、ガタガタしたあと静かになった後にも、一度も聞こえなかったのです。
すると突然眠気が消えて、一気に意識がはっきりしました。そうして居間で玄関を見つめながら一睡もせずに夜を明かし、夜明けごろになってやっと眠りについたようです。起きたときは、幸い何事もありませんでした。
翌日友達に会って夜に帰ってきたのですが、両親の話を聞いて鳥肌が立ちました。
隣のおじいさんが昨日の明け方、家で亡くなったというのです……。一人暮らしのおじいさんが突然死されたそうです。侵入された形跡も、おじいさんを暴行した形跡もなかったので、ミステリーな事件だと言われています。
一人で暮らしてはいましたが、持病もなく健康だったので、なおさら訳が分からない出来事でした。ただ、昨日うちの玄関をガタガタさせたことと関係がある気がして、今でもあの夜を思い出すと眠れません……。